最近、3Dプリンター関連ビジネスについてセミナー等でお話しさせていただく機会が増えてきましたが、数ある3Dプリンター関連ビジネスの中で、私のお気に入りの会社は

アライン・テクノロジー

という会社です。

この会社、歯科矯正機器を3Dプリンターでつくっている、その分野では世界最大の会社なのですが、この会社の歴史を鑑みるに、表題の

その分野のシロウトこそが新規事業を始めるものだ

を完全に地で行っている感を強く覚えさせられます。

アラインテクノロジーは1997年、スタンフォード大学ビジネススクールの学生であったジア・チシュティ(Zia Chishti)とケルシー・ワース(Kelsey Wirth)が共同で創業した歯科矯正機器製造ベンチャー企業です。

歯科矯正機器とは、歯並びを矯正するためのマウスピースの事ですね。従来の鉄製の矯正機器と違い、同社の製品は患者に痛みを強いず、よりスムースに歯の矯正が出来ることを売りにしています。

創業当初よりCADと3Dプリンターを使ったアライナー(矯正機器)のインビザラインの製造を行い、現在までに業績を大きく拡大させています。

スタンフォード大学在籍前、チシュティはモルガンスタンレーのインベストメントバンカー、ワースは環境コンサルタントで、いずれも歯科医療および矯正歯科医療の知識も経験もなく、歯科矯正医療の分野においては完全な門外漢、シロウトでした。

しかし、3Dプリンターという新たな文明の利器を、自らが使用していた歯科矯正機器に活用するというアイデアを、この二人は思いつきます。

多分、その分野のほとんどのプロ達、ほとんどの歯科医師達は、二人のアイデアを荒唐無稽だとして一蹴したことでしょう。実際、二人は初期の投資を得るために相当奔走しています。

最終的に、二人はベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンンズのパートナー、ジョセフ・レイコブから220万ドルの出資を受けることに成功し、事業の立上げに成功します。

二人のアイデアを夢物語であると一蹴していた歯科医師達が、成長したアライン・テクノロジーに逆に同社の「認定矯正歯科医」としてお墨付きをもらうことになるとは、誰も想像できなかったでしょう。

アライン・テクノロジーの事例は、新規事業とりわけ新産業を構成するような有望な新規事業は、往々にしてその分野の門外漢が立ち上げるということを如実に物語っています。

新たな事業領域を前にして、「私は専門外だから」「私はシロウトだから」などと口にし、実際に手を出すことを躊躇する方が少なくないですが、シロウトだからこそ強いという真実を、大なり小なり認識しておくことはすべての経営者にとって必要なことだと思います。

 


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